ケアマネジャーとの連絡や調整など、主にコーディネート業務を行うサービス提供責任者の給与事情について見ていきましょう。サービス提供責任者は資格名ではありません。施設を取りまとめる責任者のことです。介護福祉士の資格があればサービス提供責任者として活躍できます。
公益財団法人介護労働安定センターの介護労働実態調査によると、サービス提供責任者の給与は、20万~25万円未満の人が全体の35.9%、10万円~15万円未満が22.3%、25万円~30万円未満が18.0%、30万円以上が11.3%でした。平均するとサービス提供責任者の給与は約22万3,000円となります。事業所の種類や実務経験、持っているスキルなどによって違いはありますが、介護士の平均給与が無資格者で約26万1,600円ということを考えると、それほど高い給与であるとはいえません。
また、サービス提供責任者の給与は年齢や性別によって金額が異なります。29歳以下の男性の平均月収は約28.6万円ですが、同じ年代の女性は約27.4万円と、1.2万円も違います。一番金額が高いのは40歳~49歳の男性で約34.3万円、次いで30歳~39歳の男性で約32.5万円です。同じ年代でも女性の場合は29.8万円、29.2万円と低くなっていますが、なぜ男女で金額に違いがあるのでしょうか。
それは、男性の方が管理職として経営の中枢を担っていることが多いからです。管理職になればその分、手当もつくため平均月収も高くなるのでしょう。
上記で紹介した平均月収は基本給に各種手当を加算した額面給与です。実際に受け取る手取り給与ではありません。手取り給与は額面給与の75~85%くらいといわれているので、大体25万円~29万円ほどでしょう。
多くの事業所ではボーナスを年に2回支給しています。一般的に、ボーナスは月給の約3~4ヵ月分なので大体50万円~90万円前後になるでしょう。しかし、すべての事業所でボーナスが支給されているわけではありません。規模の小さい事業所や財務状況が悪い事業所など、ボーナスを支給したくてもできない場合もあります。
サービス提供責任者として働く場合は残業手当や資格手当、職務手当などが基本給にプラスされます。金額は職場によって違いますが、残業手当は2~4万円がつくことが多いようです。ただし、残念ながら本当は残業しているのに手当がつかないサービス残業を余儀なくされているケースもあります。残業がある場合はきちんと手当がつくかどうかも確認するようにしましょう。
資格手当は介護に関係ある資格を持っている人に対して支給される手当です。介護福祉士で月1万円ほどの手当がつきます。サービス提供責任者は全体を取りまとめる役割を担っているため、3万円ほどの職務手当が支給される場合もあります。ただし、職務手当がつく分、残業手当がつかない、といったケースもあります。
キャリアアップを目指している介護士の多くが目標として掲げているのが「介護福祉士」です。国家資格のため難易度は高いのですが、専門職であることを証明でき信頼を得やすくなるというメリットがあります。介護士として長く働き続けることを考えるなら介護福祉士の取得を目指してみてはどうでしょうか。
ケアマネジャーの給与は職場によって異なります。一番金額が高いのは特別養護老人ホームで約38万2,510円、反対に一番低いのは訪問介護事業所で約32万7,790円です。職場によって差が生じるため、少しでも多くの給与を得たいなら慎重に職場を選ばなければなりません。
介護業界の転職には手厚いサポートで求職者を支えてくれる転職エージェントが欠かせません。しかし、転職エージェントは多種多様にあるためどれを選べばいいのかわからず不安に思っている人も少なくないでしょう。ここでは自分に合う転職エージェントを見極めるコツを紹介します。