要介護者と介護サービスをつなぐ役割を担うケアマネジャーを最終目標としている介護士も少なくありません。ケアマネジャーは介護福祉士の資格があり、5年以上の実務経験がなければ取得できません。給与が高いイメージがありますが、実情はどうなっているのでしょうか。
厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、令和元年度のケアマネジャーの平均月収は額面給与で約35万320円、賞与は62万8,000円ほどであることがわかりました。介護職員処遇改善加算の拡充もあり、年々平均給与額は上がってはいるとはいえ、予想しているほど高い金額ではありません。この金額から所得税や社会保険料税金などが引かれると、手取り給与はさらに低くなります。
ケアマネジャーの給与を他の介護に関係する資格と比べると、無資格者とは8万8,380円、初任者研修修了者とは6万4,370円、実務者研修修了者とは6万1,920円と大きな差があります。
「額面給与」と「手取り給与」といった言葉をよく聞きますが、両者の違いをきちんと理解しているでしょうか。額面給与は基本給に通勤手当や資格手当、時間外手当などの各種手当を含めた給与のことです。一方、手取り給与は額面給与から健康保険料や厚生年金、雇用保険、住民税、所得税などの控除額を引いた給与のことです。銀行振り込みで給与を受け取っている場合は、実際に振り込まれる金額がこれにあたります。
一般的に、手取り給与は額面給与の75~85%くらいといわれています。ケアマネジャーの平均月収約35万320円なので、手取り給与はその75~85%にあたる26万2,740~29万7,772円くらいでしょう。
ケアマネジャーの平均月収は約35万320円ですが、どの職場でも一律でこの金額なわけではありません。事業所の種類や企業の規模、経験年数なども大きく関係してきますし、資格手当や夜勤手当などもあります。
平均給与額が多いのは特別養護老人ホームで、約38万2,510円です。それに対し、平均給与額が低いのは訪問介護事業所で、約32万7,790円です。月額で5万4,720円、年収にすると65万6,640円と大きな差がついているため、職場選びは非常に重要です。
ケアマネジャーとして働くためには資格が必要です。そのため、給与に資格手当がつく場合があります。手当額は事業所によって異なり、数千円~数万円と幅が広くなっていますが大体1万円~2万円とする施設や事業所が多いようです。また、主任介護支援専門員や認定介護支援専門員になると金額はさらに高くなります。
キャリアアップを目指している介護士の多くが目標として掲げているのが「介護福祉士」です。国家資格のため難易度は高いのですが、専門職であることを証明でき信頼を得やすくなるというメリットがあります。介護士として長く働き続けることを考えるなら介護福祉士の取得を目指してみてはどうでしょうか。
ケアマネジャーの給与は職場によって異なります。一番金額が高いのは特別養護老人ホームで約38万2,510円、反対に一番低いのは訪問介護事業所で約32万7,790円です。職場によって差が生じるため、少しでも多くの給与を得たいなら慎重に職場を選ばなければなりません。
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